日本リズム学会 

Japan Institute of Rhythm

 

55例会

 

日時:2018年6月23日(土)14:30-16:30(終了後懇親会あり)

 

場所:フェリス女学院大学山手キャンパス(神奈川県横浜市)6号館631教室

内容:研究発表とディスカッション


入場:会員500円、非会員1000円
 

問い合わせ: JIR事務局 office_jir08@yahoo.co.jp

 

 

~ ~ ~ ~ ~ ~ プログラム ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

研究発表


「ビリー・ジョエルの音楽 ——ロック様式の変遷——」

宇野友子 フェリス女学院大学副手


要旨:本報告はアメリカのシンガーソングライター、ビリー・ジョエルの1970年代から1990年代前半の楽曲全116曲を対象として形式分析を試みたものである。全対象曲をポップスで多く見受けられるAABAやAABABA等のBとラベルづけ可能な対比的セクションを持つAABA系と、AAAやAAAA等のBを含まないAAA系とに分類した。 
 その結果、全体ではAABA系が6:4の比率でやや優位を示し、70-80年代前半も同様だが、80年代後半-90年代前半ではほぼ同じ比率となる。こうした形式変化をロックの時流に照らし合わせて考察すると70-80年代前半には複雑性志向が特徴であるプログレッシブ・ロック様式の影響を受け、80年代後半-90年代前半では単純性志向のニューウェイブ様式の影響を受けていると推察される。(→詳細

 

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旋法とは何か?(第8回)
「和音分析への音素材分析の応用 ――シェーンベルク《4つの歌曲》作品2(1899年)の分析――

見上潤 音楽分析学研究会
 


要旨:およそ1908年あたりを境にしたシェーンベルクの「調性期」と「無調期」の内的連関を明らかにするための第一歩として、作品2の《4つの歌曲》” Vier Lieder” (1899) を分析の対象とする。『総合和声』以降の最新の島岡和声(ゆれ)理論をベースにして、マクロからミクロに至るまでの「ゆれ」明らかにした後、錯綜とした調性や和音の同定困難な細部を「音素材分析」によって実演を交えながら詳細に考察する。この作業プロセスを紹介することが本発表の目的である。(→詳細