日本リズム学会

Japan Institute of Rhythm

第37回大会および総会の御案内

【日 時】

2021年3月27日(土)

総会 13:0~13:50

大会 14:00~16:00

【場所】

オンライン(ZOOM)にて実施

【参加費】

無料(会員のみ)

【参加方法】

3月26日(金)までに office_jir08@yahoo.co.jp へメールで

申し込んだ会員の方に、参加URLと詳細をお送りします。

新型コロナウィルスの感染拡大がなかなか収束しないため、今回は遠隔で開催します。

総会と大会のそれぞれにつきまして、学会ホームページにてご案内しておりますので、そちらをご覧ください。

今回に限り大会の参加費は無料といたします。ただし会員のみ参加可能です。非会員の方で参加希望の方は、恐れ入りますが、まずはご入会ください(入会方法は当会のホームページをご覧ください。ただし会員のご家族や近いお知り合いの方は、ご相談ください)。

可能であればZoomが事前に使用可能であるかどうかテストください。当日は進行時間の関係上、参加者個別でのトラブルや機器不具合には対応できかねる場合がございます。あらかじめご了承ください。

なお、当日はいつでも入退場可能です。

ふるってご参加ください!


          

37回 大会プログラム

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オンライン入場 13:50

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1.【研究発表】14:00-14:30

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『武満徹の「ポピュラー・ソング」分析におけるリズム的考察の試み』

山路 敦司

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2.【研究発表】14:30-15:00

旋法とは何か?(第12回)

『音素材分析表による詳細分析――ラヴェル《水の戯れ》冒頭部分――

見上

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15:00 休憩

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3.【研究発表】15:10-15:40

DAWで作るリズムトラック事情』

寺内 克久

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4.【研究発表】15:40-16:10

『ポピュラー音楽におけるリズム』

古澤

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16:10 まとめ/質疑応答

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16:30 終了

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研究発表要旨集

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1. 武満徹の「ポピュラー・ソング」分析におけるリズム的考察の試み

山路 敦司(大阪電気通信大学総合情報学部教授)

【発表要旨】

武満徹(1930-1996)の「ポピュラー・ソング」20曲に注目し、これまでに楽曲分析を行なった結果、楽曲構成・リズム・音階・旋法・音高遷移・和声他の側面より共通する11項目を抽出し、武満の現代音楽作品にも通底する音楽的特徴について言及した。とくに旋律の音高遷移については、他の作曲家のポピュラー・ソングと比較することで武満の音楽的独自性について浮き彫りにした。本発表においてはその分析手法を手掛かりに、旋律を形成する音価・リズムにおける同様の傾向について検討し、その可能性に起因する武満の作曲語法について考察を試みる。

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2. 旋法とは何か? (第12回) 音素材分析表による詳細分析 ――ラヴェル《水の戯れ》冒頭部分――

見上 潤(日本音楽理論研究会、音楽言語学研究室)

【発表要旨】

前回は、ラヴェル(Joseph-Maurice Ravel, 1875-1937)のピアノ曲《水の戯れ》(Jeux d'eau, 1901)における完全5度音程(r5°)の用法に着目し、その組み合わせによる他の音素材との関連を探りだし、それらのソノリティーへの寄与とともに作品全体の重要な構成要素であることを明らかにした。

今回は、冒頭の8小節までに限定し、音素材分析表によって詳細な分析を行った。その結果、一見複雑に見える高次和音を伴ってはいるものの、古典的とさえ言えるカデンツ構造を持つ起承転結の極めて豊潤な内容を含んだミクロコスモス(小宇宙)であることが明らかになった。

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3. DAWで作るリズムトラック事情

寺内克久(M-Bank STUDIO)

【発表要旨】

普段DAW(Digital Audio Workstation)ソフトを用いて音楽制作をしている。今回はリズム学会初のオンライン大会ということで、皆様にDAWの画面を共有しながらリズムトラックの作成方法に特化してご紹介したいと考えた。私自身ドラムを演奏できないにも関わらず、ソフトを揃えることで簡単に楽曲制作を行える時代になった。サンプル素材を加工する方法、ドラム音源ソフトを用いる方法、それらを組み合わせて複雑なリズムパターンを構成していく様子などをご紹介したい。合わせて皆様独自の音楽作成方法なども共有できれば幸いである。

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4. ポピュラー音楽におけるリズム

古澤 彰(LOWBORN SOUNDSYSTEM)

【発表要旨】

ポピュラー音楽と言えば、一般的には8ビートや16ビート等の4/4拍子のイメージが強い。

たしかに4/4拍子の楽曲が大半ではあるが、変拍子や複合拍子で構成される楽曲も少なくない。

その傾向はプログレシッブロック、ノイズ、電子音楽などで顕著である。

今回はリズム的な観点から始まり、更に大きな枠組みとしてどこまでの範囲がポピュラー音楽と言えるのか?を考察する。


<発表者プロフィール>

              

山路 敦司

作曲家。東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程修了。京都市立芸術大学大学院博士(後期)課程修了。スタンフォード大学客員研究員、岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー修了を経て、現在、大阪電気通信大学総合情報学部教授。コンピュータ音楽やノイズ、映像音楽やゲーム音楽等を中心に領域横断する制作と研究活動を行う。

                 

見上潤

音楽アナリスト、指揮者、ピアニスト。研究テーマ:テクスト・音楽・演奏を統一的に把握する「ことば・おと・こえの三位一体」の理論と実践。音楽言語学研究室・ドルチェカント研究会主宰。日本音楽理論研究会幹事。日本リズム協会会員。日仏現代音楽協会会員。国立音楽大学声楽学科卒。同大学院作曲専攻(作品創作)修了。
   

寺内 克久

音楽専門校時代に作曲編曲家としてデビュー。都内音楽専門校学務からM-Bank STUDIOの立ち上げに参与。現在レコーディングエンジニア/キッズトレーナー等を務めながら一般の方からタレント、企業クライアントまで様々な音楽制作を行っている。感性優先の音楽制作方法として「不定調性論」なるコンセプトで音楽制作を行う。

             

古澤 彰

エレクトロバンドLOWBORN SOUNDSYSTEM所属。大半の楽曲において作詞作曲を手がける。
また個人名義では室内楽を中心に作曲し国内外で演奏されている。
2016年より日本リズム学会にて理事を務める。