日本リズム学会 

Japan Institute of Rhythm

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第33回大会

クラシック音楽をクラブミュージックに

自動リミックスするツールの試作

 

古澤 彰

 今回は、DTM(Desk Top Music)の作編曲において用いられる従来のリミックスツールとは異なるツールの試作を行った。従来のリミックスツールでは、即興的な編集作業が非常に困難である。今回はリミックスにおける編集作業においてレスポンス性の高さを重視して、従来のリミックスツールとは異なるツールの試作を行った。
また、もう一点、今回の試作において重視した点がある。それはクラシック音楽を自動的に、現代のクラブミュージック風にリミックス可能なツールとして機能させることである。自動的にリミックスを可能とすることで、クラブミュージックのDJや作曲初心者などにも操作しやすいユーザビリティを重視した。

 


 

音楽と舞踊からみる中近世の鷺舞

―山口・津和野の事例の比較分析を中心に―

 

川﨑 瑞穂

 

京都の夏の風物詩である八坂神社の祗園祭では、中世から近世にかけて、鷺舞という芸能が行われていた。この芸能は1459年に山口県山口市に伝わり、その後、1542年に島根県津和野町に伝わったが、これらは当時の鷺舞の様子を今に伝える貴重な事例である。本発表では、舞踊譜と楽譜を用いて山口市・津和野町の事例を比較分析することで、その共通点と相違点を明らかにし、中世から近世にかけての京都祇園祭の鷺舞の変遷について考察する。


スティービー・ワンダーの楽曲

~リフとハーモニックリズムが持つ音楽的クオリアによる作曲技法の研究~

 

寺内 克久

 

今年私は現代を代表するポピュラー音楽家、スティービー・ワンダー(1950-)の作品を分析している。本発表のテーマは彼のリフとハーモニックリズムの展開について論じたい。リフ(riff)は、繰り返し旋律パターンを連鎖して、時に抽象的に、高揚的に音楽的意味を表現していく。ワンダー作品は、さらにこのリフ概念を拡張し、ハーモニックリズムにもその考え方を用い、調を超えて自在に作曲しているように感じる。今回はその手法を「音楽的クオリア」という視点によって解析し、一般化できる方法論を考えてみたい。