日本リズム学会 

Japan Institute of Rhythm

 

第61回例会

 

日本リズム学会 第61回例会
  

 

 日時:2026年8月30日(日)14:10〜16:00

場所:国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟 301号室(Zoom併用)
参加費:正会員無料、非会員1,000円

 

ハイブリッド開催(オンライン参加者にはお申込み後にURLを送付いたします)

<お申込先フォーム>

1.2026年8月20日(木)までに下記のURL から、申し込みフォームにアクセスしてお申し込みください。

https://forms.gle/nDjkxzkWHRrJ8myD9

2.オンラインで申し込んだ会員の方には開催当日に、Zoom参加のためのURL をメールでお

知らせします。

3.総会欠席の方はこのフォームで委任状も提出できます。

4.出席の方は、時間になりましたらZoomにお入りください。時間内は出入り自由です。

お申し込み/お問い合わせ: JIR事務局 office_jir08@yahoo.co.jp

 

【当日スケジュール】
受付 14:10〜14:40

~ ~ ~ ~ ~ ~ プログラム ~ ~ ~ ~ ~ ~  

【研究発表1】
発表14:40〜15:20

ゲシュタルトとしての楽曲分析法に関する考察―スクリャービン《ピアノソナタ第8 番》作品66(1913)―
見上潤(音楽言語学研究室、日本音楽理論研究会)

本発表は、スクリャービン《ピアノソナタ第8番》作品66(1913)を対象にして、有機的構造をもったゲシュタルトとしての音楽を把握するための方法論について考察する。
まずマクロの視点から、2分割、3分割・・・と、全体から部分へと向かう「分割法」によって作品の全体構造の分析を行い、ソナタ形式の構造を明らかにする。次にミクロの視点から、細部から全体へ進む「増殖法」によって主題操作、動機操作等の分析を試み、諸音素材間の関連についても考察する。これらの分析によって、無調性と判定されることが多い後期スクリャービンではあるが、実際には調性が保持されていることが明らかになった。

【質疑応答】
発表15:20〜15:30

        

【休憩】
発表15:30〜15:40

   

【研究発表1】
発表15:40〜16:20

民謡「ソーラン節」におけるリズムの現代的再構築―LOWBORN SOUNDSYSTEMの音楽実践を事例として
古澤彰(尚美学園大学芸術情報学部准教授、LOWBORN SOUNDSYSTEM)   

本発表では、筆者が活動している民謡テクノユニットのLOWBORN SOUNDSYSTEMが取り組む北海道民謡「ソーラン節」の現代的アレンジを事例に、伝統音楽と電子音楽の融合がリズム認知や身体表現に与える影響について考察する。楽曲制作のプロセスや編曲手法、ライブにおける観客の反応を分析し、民謡が持つ反復的リズム構造をテクノ/エレクトロニック・ミュージックへ再構築する実践を報告する。伝統文化の継承と新たな表現創出の可能性を、音楽実践とリズム研究の両面から検討する。

     

【ラウンドテーブル】
発表16:20〜16:40

 

  

   

  

  

発表要旨:

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ゲシュタルトとしての楽曲分析法に関する考察 ――スクリャービン《ピアノソナタ第8番》作品66(1913)――

見上潤 日本音楽理論研究会、音楽言語学研究室

 

本発表は、スクリャービン《ピアノソナタ第8番》作品66(1913)を対象にして、有機的構造をもったゲシュタルトとしての音楽を把握するための方法論について考察する。この考察は、以下の島岡譲(1996年)の応用である。
「・・・音楽を最単純な要素に分解し、それらを組合わせてより複雑な現象を捉えていくというユークリッド的な分析・総合の発想は、記述の方法としては飽くまでも正しい。しかし、音楽そのものは不可分の全一体であってたんなる部分の総和ではない。逆に各部分は全体の中に占める位置と機能に即してのみ意義を持ちうるということを形態心理学は教えてくれる。これは機能論を一層徹底させ、一切を「1個の主調内の現象」として捉える努力を促進させる。つまり、音楽は1個の構造(ゲシュタルト)なのだ。このようにして、音楽を捉えるミクロの視点とマクロの視点とは手を取り合って進むことになる。」
まずマクロの視点から、2分割、3分割・・・と、全体から部分へと向かう「分割法」によって作品の全体構造の分析を行い、ソナタ形式の構造を明らかにする。次にミクロの視点から、細部から全体へ進む「増殖法」によって主題操作、動機操作等の分析を試み、諸音素材間の関連についても考察する。
これらの分析によって、無調性と判定されることが多い後期スクリャービンではあるが、以下のように実際には調性が保持されていることが明らかになった。提示部と再現部の間には明らかに長3度関係の調的対応が存在する。第1主題は、ピアノソナタ第5番冒頭和声を短調化した相似形であり、全音のゆれ、民謡および都節のトリコルド、並行4度によるオルガヌム的下行音階による筝曲風のパッセージの効果が著しい。増3和音・東洋のテトラコルドによる第2主題は様々に展開され、最も重要な位置を占めている。この他にエピソード的に登場する自然7和音を伴った序奏部冒頭の主題も重要である。

 

民謡「ソーラン節」におけるリズムの現代的再構築―LOWBORN SOUNDSYSTEMの音楽実践を事例として

古澤彰 尚美学園大学芸術情報学部准教授、LOWBORN SOUNDSYSTEM

 

本発表は、前年度の日本リズム学会第60回例会において報告した「阿波踊りの拍節と現代風編曲に関する考察」における、LOWBORN SOUNDSYSTEMによる「阿波踊り」の現代的再構築に関する研究を継続また発展させる内容となる。前回の発表では、阿波踊りに内在する伝統的なリズムや旋律の特徴を踏まえながら、テクノをはじめとする現代の電子音楽におけるダンスミュージックのリズムやサウンドを取り入れ、現代的な音楽表現として再構築する実践について報告した。

2025年の日本リズム学会第60回例会での発表時は同楽曲のミュージックビデオが60数万回の再生数であったが、その後にYouTubeを中心に国内外で視聴され現在までに135万回を超える再生を記録している。この現象は、伝統的な日本の音楽文化と現代の電子音楽を組み合わせた表現が、世代や地域を越えて広く受容される可能性を示す一つの事例となった。

それらの阿波踊りの現代風の編曲に関する実践とその反響を踏まえ、筆者が活動するLOWBORN SOUNDSYSTEMでは新たに北海道民謡「ソーラン節」を題材とした楽曲制作に取り組んでいる。本発表では、ソーラン節が本来持つ掛け声や反復性、労働歌としての身体的なリズム感などに着目し、それらを電子音楽のビートや反復構造の中でどのように再解釈し、現代的なリズムとして再構築しているのかを、実際の制作過程と音源をもとに検討する。

阿波踊りからソーラン節へと展開してきた一連の実践を通じて、日本の伝統的な民謡・リズムを単に保存・再現するのではなく、その本質的な特徴を残しながら現代の音楽表現に発展する方法を考察する。さらに、電子音楽との融合によって民謡が新たな聴取者へ届く可能性と、伝統的リズムを現代に継承していくための新しいアプローチについて提示したい。

    

   

発表者プロフィール:
古澤彰(ふるさわ・あきら)

尚美学園大学 芸術情報学部 准教授、日本リズム学会 理事理事/副会長。音楽ユニット「LOWBORN SOUNDSYSTEM」リーダーとして、テクノ/電子音楽と日本の民謡・伝統文化を融合した音楽制作・研究に取り組んでいる。LOWBORN SOUNDSYSTEMでは、関西テレビ「千原ジュニアの座王」「ロザンのクイズの神様・超」などの番組エンディング曲を担当。2025年にリリースした阿波踊りを現代的に再構築したミュージックビデオがYouTubeにて現在135万回再生を突破している。