音楽と舞踊からみる中近世の鷺舞

―山口・津和野の事例の比較分析を中心に―

 

川﨑 瑞穂

 

 

京都の夏の風物詩である八坂神社の祗園祭では、中世から近世にかけて、鷺舞という芸能が行われていた。この芸能は1459年に山口県山口市に伝わり、その後、1542年に島根県津和野町に伝わったが、これらは当時の鷺舞の様子を今に伝える貴重な事例である。本発表では、舞踊譜と楽譜を用いて山口市・津和野町の事例を比較分析することで、その共通点と相違点を明らかにし、中世から近世にかけての京都祇園祭の鷺舞の変遷について考察する。